こども相談サロンフードパントリーの活動写真 鹿児島市内で行った「こども相談サロンフードパントリー」は、食の支援専門家による相談を組み合わせて、困難を抱える子育て家庭をサポートする取り組みです。WAM(社会福祉医療機構)の助成を受け、特定非営利活動法人フードバンクかごしまが中心となり、地域のNPOや行政機関と協力して実施しました。

趣旨

相談会で専門家が話を聞いている様子 この取り組みは、鹿児島市内の経済的に困難を抱える子育て家庭が地域で孤立せず、生活の安定と自立に向かって歩めるよう支援することを目的としています。そのために、食料支援(フードパントリー)に加えて、同じ会場で保健師・行政書士・ファイナンシャルプランナーなど専門家による生活相談会を実施し、食と相談を一体化した支援を行いました。この包括的な支援を通じて、困りごとの早期発見や解決につなげ、子どもたちが安心して成長できる地域づくりを目指しています。

活動内容

フードパントリーで食材を配布する様子
  • 相談会併設型フードパントリーの開催:鹿児島市内の会場で適宜開催し、困りごとのあるご家庭に食材を提供するとともに、その場で専門家による生活相談を行いました。
  • 地域団体への食材提供:鹿児島市中央地区や谷山地区など市内各地域の子ども食堂・支援団体(合計26団体)へ食品を提供し、延べ約692世帯を支援しました。
  • スタッフ研修会・見学会の実施:支援スタッフや協力団体向けに研修会やフードバンクの倉庫見学会を開催し、支援スキルの向上や参加団体同士の情報共有を図りました。
  • 関係者座談会の開催:事業の終盤に、個別支援に取り組む団体同士が集まる座談会(報告会)を実施し、活動の振り返りや意見交換を行いました。
こうした活動を通じて、「相談会併設型フードパントリー」の認知が地域で広がり、行政と民間が連携した新たな支援ネットワークの可能性が高まりました。また、支援に関するデータを蓄積できたことで、他の自治体や食品関連企業からの関心も寄せられています。

メンバー紹介

プロジェクトのメンバー集合写真
  • 特定非営利活動法人フードバンクかごしま:鹿児島市を拠点に活動するフードバンク。当事業の企画・運営主体です。食品の確保・管理、チラシ作成、アンケート集計、報告会開催など事務局として事業全般をリードしました。
  • 特定非営利活動法人かごしまこども食堂支援センター「たくして」:鹿児島県内の子ども食堂等を支援するNPO。市内の子ども食堂やフードパントリー実施団体への呼びかけや、相談会併設型フードパントリーの現場運営を担いました。
  • チームまる:鹿児島市で生活困窮家庭への個別支援を行う団体。今回の事業ではスタッフ研修の企画や、必要に応じて家庭への訪問支援に同行するなど専門的なサポートを行いました。
  • 鹿児島県司法書士会青年部・有志FP:司法書士やファイナンシャルプランナーなど、法律や家計の専門家チーム。相談会では専門相談員として参加し、家庭の法務やお金の悩みに寄り添いました。
  • 鹿児島市・鹿児島市社会福祉協議会・鹿児島市保健所:行政側の支援機関。事業のアドバイザーとして連携し、行政との橋渡しや専門知見の提供にご協力いただきました。
  • 公益社団法人日本フードバンク連盟/特定非営利活動法人セカンドハーベスト・ジャパン:食品支援に関する全国規模の団体。アドバイザーとして事業に関わり、食品提供企業への働きかけや他地域の事例共有などで支援いただきました。

お知らせ

活動履歴:
  • 2024年4月:関係者向けの全体研修会を開催
  • 2024年5月~2025年1月:鹿児島市内各地域にて食品提供および見学会を実施
  • 2025年2月:鹿児島市谷山北地区で相談会併設型フードパントリーを開催(2団体が見学参加)
  • 2025年3月:個別支援団体による座談会(報告会)および相談会併設型フードパントリーを開催
事業報告書のダウンロード: 詳しい活動内容や成果は事業報告書(PDF)をご覧ください。