多様な主体で創るフードバンク~フードバンクの可能性~

11月11日(火)

城山観光ホテルで開催されました、平成26年「多様な主体の協働モデル創出事業」にて、フードバンクシンポジウム「多様な主体で創るフードバンク~フードバンクの可能性~」についてのご報告。

定刻13時開始。 
たくさんの方々にお越しいただきました。満員御礼。

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MC有賀真姫さんの開会の挨拶から始まりました。

第一部(講演4名)

「食品ロス削減に向けて~NO-FOODLOSS PROJECTの推進について~」
山本 靖子氏(九州農政局経営・事業支援部事業戦略課食品産業環境指導官)

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国が食品ロス削減に向けての食品業界の食品ロス削減に向けた取組「食品ロス削減国民運動 ~NO-FOODLOSS  プロジェクト~」について講演をしていただきました。日本の食品廃棄量のうちの食品ロスの大きさについてのお話から始まり、食品ロス削減のためのフードチェーン全体の取組や食品業界の食品ロス削減に向けた主な取組などについてもお話しいただきました。
また、農林水産省での「ろすのん」を活用した食べきり運動なども展開についてもお話いただきました。

「社会資本とフードバンク発展」
チャールズ・マクジルトン 氏(セカンドハーベスト・ジャパン 理事長)

DSC_0492最初に、日本で初めてのフードバンク団体「セカンドハーベスト・ジャパン(以下2hj)」を立ち上げ今に至るまでの経緯・リスク回避型日本でNPOがいかにパートナーと信頼関係を結べるか、など様々な困難にぶつかってきたという話から、それらの解決の大きな原因は、「社会資本」であるという話でした。
社会資本は、1、信頼・2、互恵性・3、親密性の3つの属性に分けられ、特定の企業と協力関係を築いていくためにどこが欠けているかを分析することで協力関係をあげることにつながる、ということをみなさんにお話いただきました。

「これからのフードバンクについて」
大竹 正寛 氏(セカンドハーベスト・ジャパン・アライアンス 事務局長)

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2hjが2002年3月に設立されてから10年、各地でたくさんのフードバンクが誕生してきました。これからもたくさんのフードバンクが出来てくる中で、今後フードバンク誕生を後押しする、来年から施行される「生活困窮者自立支援法」。現在のフードバンク団体は44団体。2012年から10年後を見たときに、フードバンクが独り歩きして、収集がつかなくなってしまいます。その為にアライアンスを設立し、フードバンクのガイドラインを作成してそれを守り・監査を受けて、加盟していくことで地元のフードバンクを守る、というお話をしていただきました。

「被災地におけるフードバンクの役割について」
高橋陽佑氏(ふうどばんく東北AGAIN(あがいん)事務局長)

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2011年3月11日震災時から現在までにふうどばんく東北AGAINがしてきたこと、これからの課題についてお話しいただきました。AGAINさんのスタンスとしてはフードバンク活動は食品を渡す一時的な支援でしかないので、その先の適切な制度につなげるかを考えながら活動を行う、ということです。他の団体と連携して、食品を届けているのがAGAINさんです。震災が起こる前に被災地で暮らしていた方々は、自分たちの農地で作物を作り、近所付き合いの中で物のやり取りがあり金銭的にあまり豊かでなくても、生活ができていたが、震災が起きて都市部に越してくると全てをお金でやり取りをしなければいけなくなるなど、食で困窮する人たちがいる現状・被災地三県をまたいで、他の団体と連携して食糧支援をしている団体はAGAINさんのみだそうです。仮設住宅に暮らしている所得は下がる一方で、生活保護を受ける方が増えているそうです。食品ロス・食品寄付された食品を活用して社会課題を解決することがフードバンクの強みであること・自助・共助・公助ができる・うまれるツールになっています、とお話してくださいました。

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学生チームが毎年数回行っている茶葉集め、震災の地にメッセージと一緒に送っているのですが今回いつも受け手となっているふうどばんく東北AGAINさんの高橋さんに直接お渡しする「茶葉贈呈式」を行いました!

 

 第二部(ワールドカフェ) 

コーディネーター:永山由高氏(一般社団法人 天文館総合研究所Ten-Lab理事長)

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マイクをMCの有賀真姫さんからコーディネーターの永山さんにバトンタッチしまして、ワークショップを行いました。第一部講師4名に加えて、各ステークホルダーの5名の方にテーマを出していただき参加者と一緒に対話をしてもらいました。

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  • 「社会資本とフードバンクについて」 チャールズ・マクジルトン 氏(セカンドハーベスト・ジャパン)
  • 「フードバンクの可能性とは」       大竹 正寛氏(セカンドハーベスト・ジャパン・アライアンス)
  • 「フードバンクができる災害支援とは」高橋 陽佑氏(ふうどばんく東北AGIN)
  • 「食品ロス削減に向けてできること」 山本 靖子氏(九州農政局経営・事業支援部事業戦略課食品産業環境指導官) 
  • 「多様な主体の協働の進め方」    印南 百合子氏(鹿児島県・共生協働課)
  • 「施設とフードバンクの関係について」丸尾 英嗣氏(母子生活支援施設・第二千草寮) 
  • 「企業とフードパンクの関係について」若林 豊氏(味の素ゼネラルフーヅ株式会社)
  • 「地域の特性を活かした新しいフードバンクの形について」原田 一世(フードバンクかごしま) 
  • 「学生チームが今後さらに活動の場を広げていくためには」古川 周平(フードバンクかごしま学生チーム)

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参加者の方々に興味のあるテーマ席に移動してもらい、テーマ出しの講師と一緒に考えてもらい、対話してもらいました。みなさんとてもたくさんの意見を下さり、また講師の方の話に耳を傾けていました。とても盛り上がり時間が足りなかったのでは?とこちらも感じるところでした。 ワークショップについてまとめたものは別で投稿いたします。

たくさんの方々の協力もあり、開くことができた会だと思います。たくさんの支えて下さったみなさま・参加して下さったみなさまに感謝いたします。